タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ザ・ロネッツ、ザ・シュープリームス、スリー・ディグリーズといった女性グループを思い浮かべた。正確には舞台上の架空の三人の姿を見ていた。何か手を加えようとしたし、実際に試みたけれど、ただただこのままでいいと全てを戻した。そのほうがきっとよいはずだ。
ハナ 2021-004 Dahlia
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ダリアの花が花屋の店頭にあると、どうしても買わずにいられなくなる。そして家に帰りまじまじと見つめて頭を抱える。溢れるばかりの豪奢さと、釣り合わない部屋であり私だ。
ハナ 2021-003 Amaryllis
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / アマリリスを買ってきたとき、あまりに小さい蕾は開花しないまま枯れるだろうと思った。このとき咲いて花がいつまでたっても勢いが衰えず、気がつくと蕾が日々成長しているのだった。ある日、咲いていた花がいきなり枯れはじめ、つぼみがほころびはじめた。そして堂々と咲いた。
ハナ 2021-002 Amaryllis
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / アマリリスの花には、何者も否定できそうにない堂々たる美しさの標準のごときものがある。これはユリにも言えるが、アマリリスはあまりにも茎が太い。屋外から室内へ場所を移したとき、アマリリスの茎の太さと美の、花の美しさの標準のごとき花との間に矛盾または対立が生じる。だが、矛盾または対立に緊張感を見出して花の姿に向かうのがアマリリスの醍醐味だろう。
ハナ 2021-001 Gerbera
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 精一杯だった。いまできる唯一のこと。それがガーベラの撮影だった。
ハナ 2020-037 Calla (Calla lily)
今日まで6年ほど、撮影方法の紆余曲折はあったものの同じ意図のもと花を撮影し続けてきた。何種類の花、何種類の植物を撮影したか、何カット撮影したか山のように積もったかに見えるデータを数えるのはもうやめた。カラーも、いったい何 […]
ハナ 2020-036 真鍮の花
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 命に限りがあることがせめても救いなのだろう。花の像に永遠に近い命を与える撮影とは罪深い行為かもしれない。
ハナ 2020-035 カラスウリ #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 夜に咲いて一晩の命の花だ。摘めばほんのわずかな時間で衰え、しおれる。手折って30分で壮絶な姿になった花と向き合う。
ハナ 2020-034 Love Is Stronger Than Pride
Sade Aduの歌声のように。プライドより勝るもののように。強靭な愛について。
ハナ 2020-033 pomegranate #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 灼熱の日々が続いた。熱風が吹いた日の翌日、ザクロの枝先に干からびた果実を見つけた。
ハナ 2020-032 Gladiolus #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 撮影しながら、現像しながら、特別なことをしていないのに赤い花の赤さが飽和しているのに気づいた。これ以上の赤さを表現できない状態が飽和だ。なぜ、そこまで赤いのか。
ハナ 2020-031 Pincushion #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 田園を歩いた。水田を見ると8月だというのに稲はひと月前かと思う姿をしていた。雨ばかり降り、太陽を見ることがなかった7月だった。花屋にならぶピンクッションもまた例年より小さい。
ハナ 2020-030 Calla #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / もう今年はいいだろう、と撮影しないつもりでいてもカラーを手に取ってしまう。新たな発見はもうないだろう、と思いつつ撮影をしていると侮るなと言わんばかりの表情を見せる。
ハナ 2020-030 Gladiolus #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 栽培家が市場へ運び込んだてきたとき、花の赤さに私はたじろいだ。肉眼に赤さが飽和していた。天候不順の夏なのに血のように赤い花が咲いたのだ。
ハナ 2020-029 茶の木
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 2015年9月に撮影した。ずっと梅雨の雨に濡れた茶の木だったと思い込んでいたが、茶の花期は秋から冬なのだからひどい勘違いをしていたことになる。梅雨ではなく秋雨だったのだ。茶の木はあんがいいたるところに自生している。
ハナ 2020-028 Curcuma #1(および個別作A,B)
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / Curcuma=クルクマはアラビア語でウコンを意味する。いかにも熱を好みそうな姿をした花だ。熱帯の花が、それゆえ夏は涼やかに見える。2015年撮影/2020年現像作品化
ハナ 2020-027 芍薬 #3
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 花の姿は環境に大きく左右される。そして刻々と変わる。
ハナ 2020-026 Parsley #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 被写体となった花をつけた2年目のパセリは撮影のあと更に多数の花芽をつけ、花芽の多さから気づきにくいが今までの葉をほとんど落とした。花が目的を達成したとき枯れるのだ。命はこうして終わる。
ハナ 2020-025 Allium #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 葱の花、ニラの花は観賞用ではないが、素通りできない存在感と美しさがある。それは洗練と程遠いかもしれないが、洗練と異なるベクトルの美しさというものがある。アリウムは明らかに過剰だ。これを洗練と言えるか私にはわからないが、素通りできない存在感と美しさがある。
ハナ 2020-024 Parsley #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / パセリは二年草で、2年目の初夏に花をつけ、やがて一生を終える。私はパセリを大量に収穫するため栽培しているから知っている。パセリは葉も根も香り高い。皿の隅の飾りとしてのパセリしか知らないとしたらとても不幸なことだ。
ハナ 2020-023 Allium #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / そう子供だった私は、この目線の高さからアリウムを見た。唐突に伸びた茎のてっぺんにネギ坊主そっくりな巨大な花がつく。ニラも似たようものだが、子供の背丈ほどの茎に花の塊が丸くつく様は異様だ。美しいと異様はやはり近似のものだと教えてくれる。
ハナ 2020-022 Lemon #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 精油を含んだ柑橘類の葉を虫は嫌ってよそさうに思うのだが、レモンに限らず蝶のいも虫に例年相当数の葉が食われてしまいがちだ。たぶんアゲハになるだろうと思われる幼虫が葉を盛んに食い荒らしていたので、殺すに忍びないがレモンの木から取り除いた。命を選択するのは、レモンとアゲハの関係であってもつらいものだ。
ハナ 2020-021 Cactus #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 自然界に自生している姿をまったく想像できない植物がある。このサボテンもまた群生しているのか点在しているのか、どのように花を咲かせているのか。
ハナ 2020-020 芍薬 #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 芍薬の難しさは目を惹きつけ目を見張らせる豪奢な花にあり、花に気を取られていると花そのものさえ何ものか把握できなくなるところにある。花そのものさえ把握できないのだから、芍薬という存在は更に見えないのだ。美人と同じだ。
ハナ 2020-019 Lemon #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 昨年の夏、葉を落としはじめ秋にはほぼ丸裸になって枯れたとばかり思っていた。春になって木を引き抜きいて処分しようと準備を進めていたら盛んに新芽を出し、やがて蕾をつけ花を咲かせた。花を咲かせたレモンの木を切り倒し根を掘り返せる訳もなく。
ハナ 2020-018 Cactus #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 春のある日、とつぜん小さなつぼみがつき、そして咲く。毎年、律儀に開花してくれてありがたい。そして例年、ほぼ同じ数の花をつける。あと何回、私はこの花を見られるのだろうか。
ハナ 2020-017 芍薬 #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 芍薬を撮影するのは何年ぶりだろうか。なかなか難しい花と敬遠していたが店で最後の花束になっているのを見て買い求め撮影した。写真は出会い次第のところがある。
ハナ 2020-016 Crimson Clover #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 炎の色に似ていると言われる花。私は炎を連想できず血液の色に見える。力強い色だ。
ハナ 2020-015 Crimson Clover #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 冬の終わりに地を這うようにクローバーが芽吹いた。ずっと地表を覆っていたクローバーが、ある日とつぜん空へむかって成長しはじめた。直立する茎は自らがクローバーだったことを忘れたかのようであったし、真紅の花は静脈から溢れる血液に似ている。
ハナ 2020-014 Tulip #5
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 彼女について私は何も知らないに等しいはずだ。チューリップの球根を店頭で選び、植え付け、颱風の日はプランターを部屋に運び込み、育て、咲いたけれど。咲かせたと言えるかどうか。そして彼女について何も知らない。
ハナ 2020-013 Tulip #4
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / この日のために昨年の秋、球根を植え今日まで育ててきた。今年は芽を出したこと、育ったこと、花を咲かせたことをいつもの年より感謝している。この困難な時代に、私はチューリップに世界を見ている。
ハナ 2020-012 Tulip #3
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / なにがどうと敢えて言う必要はないだろうが、遠い場所で遠い景色を撮影できずにいる。2月、私はこうした事態をうっすら想像していた。3月のはじめ、ものごとはよい方向へ向かっているように感じた。だが、そう感じられたのはほんの数日だった。いま花を見て、花を通して遠い世界へ行こうと試みている。花の向こうにある景色を見つけるために。
ハナ 2020-011 Tulip #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / あのチューリップ型の花はつぼみと大して変わらない。チューリップも他の花のように花びらが開ききったときはじめて開花と呼べるようになる。チューリップを撮影し続けわかったことだ。
ハナ 2020-010 Tulip #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 2020年はじめてのチューリップだ。球根を植え春を待っていた。例年チューリップを開花させるのはステージに立たせ撮影するには切り花ではだめなのだ。冬に芽生えはじめ、寒さのなか葉を伸ばし、つぼみをつけ、開花し、やがて散りゆくまで見極めなければ撮影できない。
フローラ 20-001 剣山に立つ芽キャベツ
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 芽キャベツの季節なのだから、もう春だ。なぜかまだ冬であってほしいと思う気持ちはどこからくるのか。
ハナ 2020-009 Rosemary #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 今朝、ローズマリーの隣にパセリのプランターを移動させた。雑草を抜き、越年した株の隣に種から発芽させた苗を植えた。そしてまたパセリの苗をつくるべく種を蒔いた。なぜかタイムを上手く育てられたためしがないが、ローズマリーとパセリはいつも私を幸せにしてくる。
ハナ 2020-008 Rosemary #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / いったい何株ローズマリーを育ててきただろうか。今月に入り、幾株かあるうちのひとつが数えきれぬほど花をつけた。枯れる間際にローズマリーが花盛りになるのを私は知っている。
ハナ 2020-007
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます /花は、既に春だった。そして何も気づかぬまま冬の部屋に飾られている。春はまだ先だが、年齢とともに時間の経過が加速しているからきっとすぐ巡ってくるに違いない。味気ないとも[……]
ハナ 2020-006 Anthurium #6
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / アンスリウムの花言葉は、「情熱」「印象深い」。へえー。適当なものだ、花言葉なんて。取り立てて好きな花ではないし、プラスチックのような質感と単純極まりない赤い色が特徴の品種仏炎苞はむしろ嫌悪感すら感じるのだが素通りできないものがある[……]
ハナ 2020-005 Anthurium #5
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 花言葉は誰がどのようにして決めて、どこに集約されているのだろう。自然発生的に生じた花言葉が19世紀に花言葉辞典としてヨーロッパでまとめられたらしいが、新たに発見された植物の花言葉は誰がどうのようにして決めているのだろう。さて、どうしたものかとアンスリウムを見るといつも思う[……]
ハナ 2020-004 Anthurium #4
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ひとりきりがもしかしたら一番心地よいのかもしれない。そう言い切る自信はないが、そう考える自分もいるといったありさま。そして[……]
ハナ 2020-003 Anthurium #3
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 取り立てて話題はないが、一言も発しないままなのも落ちつかない状況というものがある。独り言でなく、会話についてだ。たぶん、これと同じなのだ。さて、どうしたものかとアンスリウムを見るといつも思う。取り立てて好きな花ではないし[……]
ハナ 2020-002 Anthurium #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ Anthurium / アンスリウム さて、どうしたものかとアンスリウムを見るといつも思う。取り立てて好きな花ではないし、プラスチックのような質感と赤い色が特徴の品種仏炎苞はむしろ嫌悪感すら感じるのだが素通りできないものがある。異質である。異様である[……]
ハナ 2020-001 Anthurium #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ Anthurium / アンスリウム 異質である。異様である。美しい。生々しい。淫靡もしくは卑猥かもしれない。植物であるため許されている。
ハナ 19-007
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ セージは多年草または低木に分類されているので越冬してとうぜんなのだが、昨年の夏かなり弱り、冬を越した春には見る影もなくなっていたので煩わしいほど茂るとは思いもよらなかった。今年になるまでなぜか撮影する気になれなかったが、いやらしい雑草然とした様子を見ていたら時来たりと感じたのだ。