タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / いつ頃合いがくるかと見守っているうちに赤い実が一つ二つと落ちて行き、もうこれまでと慌てて撮影した。今年は秋の過ぎるのが早い。さみしささえ感じる。
ハナ 2021-024 Eryngium
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / コロナ禍にあって、さまざまな習慣が消え、また生まれもした。あきらかに世界が変わったし、私も変わった。花を見る目も変わっている。あとどれくらい私は変われるだろうか。
ハナ 2021-023 キノハナ
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / これだけで木の花は機能している。花とは何か、ここに本質がある。力強い答えがある。すべてがここからはじまった、キノハナ。
ハナ 2021-022 アザミ
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / どのような花でも、ひとたび関わりが生じると無碍に扱うことができなくなる。撮影は、人を撮影するのと変わりない。棘のある姿に似ず、アザミは敏感で繊細だ。水揚げに失敗して撮影中に生気を失ってくるのを見るときほどつらいものはない。
ハナ 2021-021 Tulip
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 3時間後、最初の一枚が散り、翌日花びらは全開になり戻らなくなった。花が終わるまで見届ける。痛々しいまでに美しかった。
ハナ 2021-020 ハナミズキ
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ハナミズキの花を正面から見ることはまずない。そして下側からまじまじと見上げることもない。そして白いハナミズキの花に紅色の点があるのに気づいている人は少ない。ハナミズキの色気に気づいている人もまた少ない。
ハナ 2021-019 ハナミズキ
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ハナミズキは珍しくない花木なのに、ちゃんと花を見たことがある人はあまりに少ない。そして花芯が見える側を正面とするなら、ハナミズキの花を正面から見ることはまずない。私は数年間撮影しつづけて、ようやくハナミズキとは何かわかりはじめた。
ハナ 2021-018 Tulip
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 残酷だとは思わない。枯れてからもチューリップが美しいのを私が知っていて、球根から芽吹き、開花へ、そして最期まで眺め続けているだけだ。若いから最盛期で美しいとは限らない。
ハナ 2021-017 Tulip
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 三日目、花びらのゆるみ加減、首のかしげ加減に表情が現れはじめた。いつもと違うものが始まりつつあるのを感じ、チューリップに舞台を用意した。
ハナ 2021-016 Tulip
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 花びらのフリンジが面白いと思い球根を植えた。花が咲き、フリンジの面白さを撮影しようとした。そのポーズは違うとチューリップに指摘されたような気がして、花が勧める構図に変えた。
ハナ 2021-015 Tulip
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / チューリップを花瓶にいけて変化を観察し続ける。花だけでなく葉も茎も日々様子が変わる。人と、その人の年月を思う。やがて散る間際に壮絶なまでに美しい姿になる。
ハナ 2021-013〜14 Tulip
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / チューリップは幼い花、咲き誇る花の美しさもさることながら花の命の終わりの瀬戸際に別次元の美しさになる。散り際の、風が吹いただけでも花びらが散るこのときもっとも美しいかもしれない。突き抜けた美がある。
ハナ 2021-012 Dahlia
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 紅白のダリアは他の作品も公開する予定です。
ハナ 2021-006〜011 Tulip
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 006から011番までを紹介しています。この連番はこのカラー作品のほかモノクローム作品があります。東日本大震災以後を取材した作品をすべて取り下げた後の私なりの10年めの鎮魂の意を込めた連作です。
ハナ 2021-006〜011 Tulip monochrome
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 006から011番までを紹介しています。この連番はモノクローム作品とカラー作品があります。東日本大震災から現在までを私なりに受け止め整理して、どうしても片付けられない気持ちから生じた連作です。
ハナ 2021-006 Tulip
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 今年は数週間前からチューリップの撮影をはじめた。撮影しながら10年目の3月11日を思い出したのは光が春めいてきたからに違いない。あの日、ひなたは暖かく窓から差し込む日差しにはかすかなまぶしさがあった。花瓶に赤いチューリップが一輪咲いていた。
ハナ 2021-005 Knautia-arvensis
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ザ・ロネッツ、ザ・シュープリームス、スリー・ディグリーズといった女性グループを思い浮かべた。正確には舞台上の架空の三人の姿を見ていた。何か手を加えようとしたし、実際に試みたけれど、ただただこのままでいいと全てを戻した。そのほうがきっとよいはずだ。
ハナ 2021-004 Dahlia
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ダリアの花が花屋の店頭にあると、どうしても買わずにいられなくなる。そして家に帰りまじまじと見つめて頭を抱える。溢れるばかりの豪奢さと、釣り合わない部屋であり私だ。
ハナ 2021-003 Amaryllis
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / アマリリスを買ってきたとき、あまりに小さい蕾は開花しないまま枯れるだろうと思った。このとき咲いて花がいつまでたっても勢いが衰えず、気がつくと蕾が日々成長しているのだった。ある日、咲いていた花がいきなり枯れはじめ、つぼみがほころびはじめた。そして堂々と咲いた。
ハナ 2021-002 Amaryllis
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / アマリリスの花には、何者も否定できそうにない堂々たる美しさの標準のごときものがある。これはユリにも言えるが、アマリリスはあまりにも茎が太い。屋外から室内へ場所を移したとき、アマリリスの茎の太さと美の、花の美しさの標準のごとき花との間に矛盾または対立が生じる。だが、矛盾または対立に緊張感を見出して花の姿に向かうのがアマリリスの醍醐味だろう。
ハナ 2021-001 Gerbera
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 精一杯だった。いまできる唯一のこと。それがガーベラの撮影だった。
ハナ 2020-037 Calla (Calla lily)
今日まで6年ほど、撮影方法の紆余曲折はあったものの同じ意図のもと花を撮影し続けてきた。何種類の花、何種類の植物を撮影したか、何カット撮影したか山のように積もったかに見えるデータを数えるのはもうやめた。カラーも、いったい何 […]
ハナ 2020-036 真鍮の花
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 命に限りがあることがせめても救いなのだろう。花の像に永遠に近い命を与える撮影とは罪深い行為かもしれない。
ハナ 2020-035 カラスウリ #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 夜に咲いて一晩の命の花だ。摘めばほんのわずかな時間で衰え、しおれる。手折って30分で壮絶な姿になった花と向き合う。
ハナ 2020-034 Love Is Stronger Than Pride
Sade Aduの歌声のように。プライドより勝るもののように。強靭な愛について。
ハナ 2020-033 pomegranate #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 灼熱の日々が続いた。熱風が吹いた日の翌日、ザクロの枝先に干からびた果実を見つけた。
ハナ 2020-032 Gladiolus #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 撮影しながら、現像しながら、特別なことをしていないのに赤い花の赤さが飽和しているのに気づいた。これ以上の赤さを表現できない状態が飽和だ。なぜ、そこまで赤いのか。
ハナ 2020-031 Pincushion #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 田園を歩いた。水田を見ると8月だというのに稲はひと月前かと思う姿をしていた。雨ばかり降り、太陽を見ることがなかった7月だった。花屋にならぶピンクッションもまた例年より小さい。
ハナ 2020-030 Calla #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / もう今年はいいだろう、と撮影しないつもりでいてもカラーを手に取ってしまう。新たな発見はもうないだろう、と思いつつ撮影をしていると侮るなと言わんばかりの表情を見せる。
ハナ 2020-030 Gladiolus #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 栽培家が市場へ運び込んだてきたとき、花の赤さに私はたじろいだ。肉眼に赤さが飽和していた。天候不順の夏なのに血のように赤い花が咲いたのだ。
ハナ 2020-029 茶の木
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 2015年9月に撮影した。ずっと梅雨の雨に濡れた茶の木だったと思い込んでいたが、茶の花期は秋から冬なのだからひどい勘違いをしていたことになる。梅雨ではなく秋雨だったのだ。茶の木はあんがいいたるところに自生している。
ハナ 2020-028 Curcuma #1(および個別作A,B)
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / Curcuma=クルクマはアラビア語でウコンを意味する。いかにも熱を好みそうな姿をした花だ。熱帯の花が、それゆえ夏は涼やかに見える。2015年撮影/2020年現像作品化
ハナ 2020-027 芍薬 #3
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 花の姿は環境に大きく左右される。そして刻々と変わる。
ハナ 2020-026 Parsley #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 被写体となった花をつけた2年目のパセリは撮影のあと更に多数の花芽をつけ、花芽の多さから気づきにくいが今までの葉をほとんど落とした。花が目的を達成したとき枯れるのだ。命はこうして終わる。
ハナ 2020-025 Allium #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 葱の花、ニラの花は観賞用ではないが、素通りできない存在感と美しさがある。それは洗練と程遠いかもしれないが、洗練と異なるベクトルの美しさというものがある。アリウムは明らかに過剰だ。これを洗練と言えるか私にはわからないが、素通りできない存在感と美しさがある。
ハナ 2020-024 Parsley #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / パセリは二年草で、2年目の初夏に花をつけ、やがて一生を終える。私はパセリを大量に収穫するため栽培しているから知っている。パセリは葉も根も香り高い。皿の隅の飾りとしてのパセリしか知らないとしたらとても不幸なことだ。
ハナ 2020-023 Allium #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / そう子供だった私は、この目線の高さからアリウムを見た。唐突に伸びた茎のてっぺんにネギ坊主そっくりな巨大な花がつく。ニラも似たようものだが、子供の背丈ほどの茎に花の塊が丸くつく様は異様だ。美しいと異様はやはり近似のものだと教えてくれる。
ハナ 2020-022 Lemon #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 精油を含んだ柑橘類の葉を虫は嫌ってよそさうに思うのだが、レモンに限らず蝶のいも虫に例年相当数の葉が食われてしまいがちだ。たぶんアゲハになるだろうと思われる幼虫が葉を盛んに食い荒らしていたので、殺すに忍びないがレモンの木から取り除いた。命を選択するのは、レモンとアゲハの関係であってもつらいものだ。
ハナ 2020-021 Cactus #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 自然界に自生している姿をまったく想像できない植物がある。このサボテンもまた群生しているのか点在しているのか、どのように花を咲かせているのか。
ハナ 2020-020 芍薬 #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 芍薬の難しさは目を惹きつけ目を見張らせる豪奢な花にあり、花に気を取られていると花そのものさえ何ものか把握できなくなるところにある。花そのものさえ把握できないのだから、芍薬という存在は更に見えないのだ。美人と同じだ。
ハナ 2020-019 Lemon #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 昨年の夏、葉を落としはじめ秋にはほぼ丸裸になって枯れたとばかり思っていた。春になって木を引き抜きいて処分しようと準備を進めていたら盛んに新芽を出し、やがて蕾をつけ花を咲かせた。花を咲かせたレモンの木を切り倒し根を掘り返せる訳もなく。
ハナ 2020-018 Cactus #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 春のある日、とつぜん小さなつぼみがつき、そして咲く。毎年、律儀に開花してくれてありがたい。そして例年、ほぼ同じ数の花をつける。あと何回、私はこの花を見られるのだろうか。
ハナ 2020-017 芍薬 #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 芍薬を撮影するのは何年ぶりだろうか。なかなか難しい花と敬遠していたが店で最後の花束になっているのを見て買い求め撮影した。写真は出会い次第のところがある。
ハナ 2020-016 Crimson Clover #2
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 炎の色に似ていると言われる花。私は炎を連想できず血液の色に見える。力強い色だ。
ハナ 2020-015 Crimson Clover #1
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 冬の終わりに地を這うようにクローバーが芽吹いた。ずっと地表を覆っていたクローバーが、ある日とつぜん空へむかって成長しはじめた。直立する茎は自らがクローバーだったことを忘れたかのようであったし、真紅の花は静脈から溢れる血液に似ている。