いよいよあと数年で半世紀まえの出来事になろうとしている。半世紀まえの自分について考えることになろうとは、ほんの最近まで考えもしなかったし、50年という歳月が恐ろしくも感じられる。
七歳の私は新潟市小針の海岸を歩き回るのが好きだった。坂を登ると分厚い防砂林が現れ、防砂林を超えると砂の丘が幾重にも続き、砂の丘の先にようやく海が現れる。何に惹かれていたのか。たぶん砂に惹かれていたのだ。
あれからずっと深い砂と砂の起伏と海に憧れ続けている。砂の記憶を忘れられずにいる。
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