タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / この世界に父がいなくなって一年になった。もしかしたら、この世界にいたことが稀なるできごとで、その偶然に私が連なっているだけなのかもしれない。そう考えるほかない。
砂景 20-014 ハイウェイ
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます /
砂景 20-013 それぞれの道 / Each way
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 別々の命がたまたま出会っただけだ。すれちがうたび視線を送り目で追うのと何が違うというのか。I follow her with my eyes.
砂景 20-012 見失って / Lose her
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / I didn’t know where I should wait for her.
砂景 20-011 駆け落ち
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 誰もいない。誰も知らない。この先があるのかわからないまま、確実なのものは今このときだけだった。不道徳で人でなしな二人。
砂景 20-010 結界
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / あちらとこちら双方に立ちはだかっている。双方に晒され続けている。
砂景 20-009 107℉ / 華氏107度
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 枯死しているのではなく休眠しているだけなのだそうだ。触れたら皮膚を裂くほど硬く鋭い葉は眠っているのだった。
Midsummer and Woman [夏至の女]
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 参考作品のため、ご要望があれば販売いたします。|男性神と女性神が出会う日。
砂景 20-008 彼女とはもう二度と会うことはない
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ずっと振り返るようにしながら彼女に話しかけ、彼女の言葉を聞きながら歩いてきた。激しい逆光で私の眼は焼かれ、彼女の声だけが砂浜にあった。ここで別れたら、彼女とはもう二度と会うことはない。
惑星と文明 20-006 ひどい天気と深すぎる砂
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / はるか遠くに何かが見えて、それが人の手がつくりあげた文明であるなら、なにもないよりよっぽどましだ。砂を歩くとき自分と他人の境界に敏感になる。
砂景 20-007 国境の近く砂漠の中
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / メキシコ人夫婦は買い物に出かけるような風情で国境を目の前にした砂漠の中にいた。そこに国境があったとしても夫婦にとっては近所なのだろうし、砂漠だからといって異界ではないのかもしれない。日常はかくも多様である。
砂景 20-006 越境者と廃ガソリンスタンド
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 「ここまで」と「ここから」が接する場所だ。越えてはならないとされ、越える為には何かを失わなければならないが、 それでも越えようとするのは越えた先で何かを得られる期待ゆえ。欲望と確執が高まる場所だ。
砂景 20-005 風速と光量
突風が去った一瞬の静寂にシャッターを切ると、再び凄まじい砂つぶてが飛んできた。 風の起点はどこなのだろう。光は頭上はるかかなたの太陽から降り注いでいるのだが。
惑星と文明 20-005 強風と砂とTの肖像
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 真正面から吹き付ける太く同時に鋭い風にもびくともしない構造物のそばで、なぎ倒されそうになりながら海の方角を見ていた。黒い浜辺のずっと向こうを。
海景 20-003 老船員のいる海景
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ここにくるまでの道筋、ずっと雨が降っていた。雨雲はいま沖合にある。老船員は光る海を見ていた。ごうごうと空が鳴っていた。
惑星と文明 20-004 砂上にてYの肖像
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / こんなポートレイト / 肖像写真があってもいいとY君は言った。傘が必要と思ったのは私だが。
惑星と文明 20-004 参考掲載 砂の廃屋と椅子
タイトルをクリックあるいはタップした先に大きめの画像があります / 誰かが最後に座ってから、いったいどれくらい時間が経過しているのだろう。
惑星と文明 20-003 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / メヒコシティの空気の密度が薄いのに気づいたときタクシーは旧市街地のグランオテルを目指していた。それからずっと意識はぼんやりしていたのかもしれない。直裁な紫外線が水分を含まぬ大気をまっすぐ進み空気遠近法が存在しない空間にも翻弄された。そして湿度を再び感じたのは三日後砂漠から海へ下る途中だった。あれから二十数年、わたしはずっとぼんやりしたままかもれしない。
惑星と文明 20-002 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / この屋根、この柱、この壁を見つけて安堵した。砂の世界を歩きつづけて、人が人として安住できる場所にほっとしたのだ。人が住むべき建物ではないのは知っているが懐かしくさえ思ったのである。
Past Light 20-006 漂着
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 植物だろう。しかし名前は知らない。誰かが持ってきたものではないだろうから流れついたのだろう。どこから? どうやって? わからない。なぜ、こんな姿で。どうして私と出会ったのか。
Past Light 20-005 桟橋にて
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / ずっと私は水に落ちた自分を想像して身構えていた。馬鹿らしいけれど、ずっと怯えていた。落ちたら泳げばいいし、ここは泳ぐほどもない深さなのに。この世ではないものを海面に見ていたのだ。
Past Light 20-004 桟橋から
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 服を着ていると遠浅の海岸さえ水に落ちるのが怖くなる。水着なら、素裸なら、怖くはない。
Past Light 20-001 ある壁
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 光との出会いは数多くの偶然とほんの一握りの必然に左右され、その光について思う時すでに過去のものになってこの世には存在しない。そして二度と出会えないのだった。まだ季節は冬だが、ここには春が兆していた。
惑星と文明 20-001 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / だんだんどうでもよくなる感覚はなかなかよいものかもしれない。吹き付ける風に煽られるに任せて、ずっとここに立って、ずっと海を見ている。三途の川ならぬ三途の海を前にした気分だ。
Past Light 2019-006
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / さっき同じ風景を見た。間違いなく、ここを。なにもかも同じ。
惑星と文明 19-031 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 早朝。老女はどこからどこへ行こうとしているのか。ここは道なのか。ここは砂の上だ。
その場所に、その彼方へ [定点から]19-007〜015
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 時を、日を変え、その場所で見えるものは人であれ波であれ砂であれ雲であれ同じではない。しかしその場所には同じ人が波が砂が雲が横切り続けているように感じられてならない。ずっと、いつまでも。その場所から、その彼方へ。
Past Light 2019-005
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 人は道をつくらずにいられない。繰り返し歩き踏み固めるだけでは飽き足らず、道をより道らしくする。いつしか人が歩くままに道は姿を変える。さもなければ道は消える。いずれにしろ道はいずれ消える。
Past Light 2019-004
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 波はまだ来ない。
惑星と文明 19-030 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 気温摂氏8度。彼は波打ち際をずっと遠くからこちらへやってきて通り過ぎて行った。私はずっとここに居て、シャッターを切ったあと立ち去った。赤い標柱を介しても、彼と私に交差するものはなかった。
その場所に、その彼方へ 19-006
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/なんだかここですべてが終わってもいいかな、と思った。どうしてこんなことを思ったのか理由はわからない。
Past Light 2019-003
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 真水が砂の上を海へ流れていく。絶えることなく、滔々と真水が流れている。あたりまえのことなのか? 私はあたりまえと思えずシャッターを切った。
その場所に、その彼方へ 19-005
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 砂と空しか見えない。砂の壁の先があるものと信じて疑うことなく登る。もし考えもしなかった結果になったら、どうなるのだろう。そんなことを考えていた。
その場所に、その彼方へ 19-004
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 三途の川ならぬ三途の海を見ながら私は死ぬのだと思う。三途の海は起伏が激しい深い砂丘の先の、平かな砂浜の向こうにあって、渡ろうか引き返そうか戸惑うのだろう。たぶん、こんな場所で。
その場所に、その彼方へ 19-003
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 遠いところへ来ているはずなのに、ここで生まれここで育ち、いずれここで死ぬような気がしている。飛砂が地を這い脚に叩きつけられた直後、もうもうと辺り一面が砂つぶで覆われ視界が消え失せた。ああこんなことの繰り返しだったなと、今日まで日々を思った。さて、これからどこへて
2019_10 (1シリーズ
タイトルをクリックあるいはタップした先で各作品個別に画像を拡大することができます/ 2019年秋季の(いくつかのテーマを横断していますが)新しいシリーズ作品です。当ページ投稿日以前に個別に掲載した作品と、後日個別に掲載する予定のもの、個別掲載の予定がないものを一覧できるようにまとめました。
惑星と文明 19-027 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ なぜ、ここにパイプでつくられた柵があるのか。なんとなく理由がわかる気もするし、まるっきり見当はずれの想像をしているのかもしれない。[……]私にとっての意味、それは永遠にわからないまま。
Past Light 2019-002
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 干潟に鳥がいた。一羽が舞い降り、しばし群れの静謐がやぶられる。……どれくらいぼんやりしていただろうか、西の空からまた一羽が舞い降りた。まるで永遠の繰り返しのようだった。
惑星と文明 19-026 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ サーフィンはポリネシア人によってはじめれたと言われる。日本に古くから瀬のし、板子乗りなどと呼ばれる波乗り遊びがあったので、海洋民族に共通する風俗なのかもしれない。ポリネシアに到達した宣教師たちは、人々の風習……
惑星と文明 19-025 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ メキシコ・チワワ州の砂漠地帯に自生するユッカ、和名アツバキミガヨランの一族がいまこの場所、私の目の前にある。U2のアルバムタイトル、ヨシュア・トゥリー(ジョシュア・ツリー)も同族の植物だ。生物にとっての距離としては果てしなく遠く……
その場所に、その彼方へ 19-002
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 植物によって侵食されている光景を、私はここだけでなく福島県双葉町でも見た。人が足を踏み入れなくなれば、たちまち植物によって地上は侵略される……
惑星と文明 19-023 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 発芽する確率が絶望的に低いうえに、成長できる可能性もまたすくないのだった。なのに忽然と灌木があった。……
Past Light 2019-001
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます/ 正直なところ、私は他人を容易に信じられなくった。誰だって見ず知らずの他人を信頼できないだろうが、わざわざこんなことを書くくらいに信じられなくなったのだ。とはいえ冷徹に徹するのも叶わず、なんだからつらい思いをさせられる。柄にもなく悲しくなったから、この写真を撮影した。
惑星と文明 19-022 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / どこから来たのか。どこへ行くのか。私は彼を見ている。どこから来たのか。どこへ行くのか。張り渡された電線を見ている。何のために。誰のために。どうして。私は世界の前に立ち尽くす。
惑星と文明 19-021 時間は砂となって降り積もる
タイトルをクリックあるいはタップした先で画像を拡大することができます / 人類はアフリカ大陸で誕生した後、数10万年をかけてユーラシア、アジア、南北アメリカ、オセアニアへ移動した。なぜ行くのか? Homo Mobilitas / ホモ・モビリタスだからというほかない。