葬送 White-eye 21982_3_4

冬になった。鳥たちが庭に帰ってきた。帰ってきたばかりだというのに一羽が息絶えていた。凍える夜を耐えるかのように身を丸くして。硬く目を閉じて。メジロだ。葬るため手に取り、羽毛の柔らかさに私の指が驚いた。生命の柔らかさが、死に絶えたあとも残っていることに私は驚いた。その美しい羽は二度と風を切ることはない。もう何ものにも煩わされることはなく、怯える必要もない。静かに眠り、土へ還れ。新たな生命として生まれ変わるまで。

Fumihiro Kato.  © 2016 –

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加藤(文)文宏 / Fumihiro Bun Kato 写真家・作家 / Photographer Author ・北海道北見市生まれ。 ・大学卒業時までに詩集「無題あるいはサラバ」、同「Cadenza」発表(共に絶版、在庫なし。「Cafebza」別装丁私家版のみあり)。 ・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画・取材、Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告、武田薬品工業広告、他。 ・長編小説「厨師流浪」で作家デビュー。小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・各メディアにおけるスチル撮影。 ・オリジナルプリントの製作、販売。 ・JSAHP正会員
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