冬になった。鳥たちが庭に帰ってきた。帰ってきたばかりだというのに一羽が息絶えていた。凍える夜を耐えるかのように身を丸くして。硬く目を閉じて。メジロだ。葬るため手に取り、羽毛の柔らかさに私の指が驚いた。生命の柔らかさが、死に絶えたあとも残っていることに私は驚いた。その美しい羽は二度と風を切ることはない。もう何ものにも煩わされることはなく、怯える必要もない。静かに眠り、土へ還れ。新たな生命として生まれ変わるまで。
Fumihiro Kato. © 2016 –
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