浪江町双葉町を撮影するあくまでも個人的な意味

By Fumi-Hiro Kato "HIRO K"|2018-05-02|311への旅

機会あるたび私は、東日本大震災の被災地ことに福島第一原発事故の被災者や被災企業を貶める下衆な人間たちの存在について書いてきた。これらのどうしようもない者どもは、関東以北全体が高濃度の放射能によって汚染され、現在もひどくなることはあれど何ら改善されていないと言い続けている。そして、空気や埃によって放射能が拡散されているのみならず、関東以北産の米、野菜、果物、魚介類、畜産品によって日本と日本人は汚染され続けていると必ず言うのだった。これによって病人や死亡者が出ていて、先天的に何らかの異常を持った子供たちが今日も続々と生まれているとも言う。2011年以来、ずっとこうだ。

馬鹿の言うことなど無視しろ、という意見がある。どうせ馬鹿だけが信じている、とも言われる。こうした意見のように問題は局所的で蛸壺の中だけなのだろうか。否、である。某スーパーマーケットチェーンは2011年段階のあのようなデマを信じる人を顧客として失いたくないばかりに、東北地方産の乳製品や農産品、魚介類の取り扱いを取りやめ、現在でも取り扱い量がとても少ない。このスーパーマーケットチェーンだけではなく、全国的に同様の傾向が続いている。風評被害を後押しし、拡大再生産しているのだ。小売店は顧客を啓蒙する業態ではないから、顧客を失わないよう風評に聞き耳を立てるのは構わない。売り場で科学の授業をしろ、とも思わない。だが馬鹿がまくし立て続けた結果が関東以北の人々の首を絞めているのは間違いない。

被災者や被災地を貶める下衆な人間は、濡れ衣を着せられた人々が困窮しようが首を吊ろうがお構いなしで、絶望的な気持ちを抱いている実在の人々の存在を想像しようとも知ろうともしない。人非人と呼ぶにふさわしいこれらの下衆どもは、自らが置かれた環境や境遇の鬱憤を政府や東電にぶつけるため、放射能による汚染が限られた地域に集中しこれも除染も進んでいて出荷される産品は全量検査の対象になっていることをちゃんと知っていないがら関東以北の地域を生贄にしている。たとえば、悪質ゆえにこれまで10回以上アカウントを凍結されながらしつこく嘘とデマと悪意を振りまいている@chocho6336というアカウントは、横浜にある親の遺産の家で暮らし、近所のスーパーや店舗で弁当などを買い、関東の水道水を飲んで一日中呪詛を吐き続けている。この人物はSNS上で関東以北の産品は汚染されていて末期的であり、こうしたものを出荷するのは陰謀や殺人に等しい行為だと言っている。唾棄すべき人間とも言えない存在が、生産者や流通業者の首を絞めながらニヤニヤしているのだ。

こうした輩だけでなく、国会議員を擁している党までが被災地の子供を救うなどとして安全な水を届ける偽善を行なっている。被災した人々を強引に看板に祭り上げ、政権批判、企業批判などをするこのような団体は少なくない。あり得ない被害で恐怖を宣伝する点は下衆どもと変わらず、下衆どもに差別の正当性と根拠を与えているのだ。http://archive.is/38Cvs

だから私は事故にまつわる土地を訪れ、いったいどうなっているのか、何か問題はあるのか、人々はどのように暮らしているのかを、作品をつくりながら巡っている。あのどうしようもない輩たちは、自分では何もしない、確かめに出かけもしない、ネットに転がる呪詛と悪質な商人の言葉をキャッチボールしあっているだけだ。

浪江町を通過する国道6号線をそのまま数分南下すると双葉町に入る。あるいは磐城方面から北上しても同じだ。昨年まで双葉町をまたぐ区間は通行止めであったが、全線開通に伴い二輪車以外の自動車は問題なくスムースに通行できる。双葉町を通過しながら思うのは、誰が悪いという怒りより言葉にならない悲しさだ。どうにか言葉にしなくては自らの頭だけでなく骨肉を通して考えられなくなるから、なんとしても言葉にしようとするが「痛切」の二文字だけで先に進まなくなる。あの下衆な輩たちが一日中ペラぺラとまくし立てる異常さ。くだらなさ。外道であること、人として最低限の想像力さえないことを思い知らされる。「私とは関係ない馬鹿な人々」と無視を決め込むのもまた加担しているに等しい。

私はジャーナリストでなく、現在はものを考えものをつくる個人だ。私はグロテスクに変質したものを、これが証拠だと見せたいがゆえに浪江町・双葉町を撮影するのではない。私は知らなくてはならないから被災地を訪ね、ひどい災害や人災があっても美しいものがあるから撮影するのだ。私は前回の訪問と以後の時間を通して浪江町と双葉町に本当の美があるとわかった。これらを突きつけたところで外道どもが改心するはずもなく、改心の余地があるなら既にどうにかなっているのだろうが、それでも私は浪江町と双葉町の被災状況ではなく美を公開したいと思う。無力ではあるが、どうしてもやらなければならない。無力だろうとやれ、と内心がせきたててくるのだ。私が死んでも画像データは、だぶん残る。こうしてネット上に書いたものはどこかでアーカイブ化されているかもしれない。この時代に、こうした行為があった欠けらを残したいのだ。即効性、もう少し近い将来への効果のほどはわからない。くだらないと嗤うなら、嗤えばいい。私は美しいものを見に出かけ、美しいものを撮影するだけだ。

Even if it is initialized 浪江町

サムネイルはトリミングされています。全画311への旅 福島県 相馬市像をご覧になるには画像をクリックしてください。本文ページはノートリミング画像が表示されています。
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About Fumi-Hiro Kato "HIRO K"

加藤(文)文宏 / Fumihiro Bun Kato 写真家・作家 / Photographer Author ・北海道北見市生まれ。 ・大学卒業時までに詩集「無題あるいはサラバ」、同「Cadenza」発表(共に絶版、在庫なし。「Cafebza」別装丁私家版のみあり)。 ・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画・取材、Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告、武田薬品工業広告、他。 ・長編小説「厨師流浪」で作家デビュー。小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・各メディアにおけるスチル撮影。 ・オリジナルプリントの製作、販売。 ・JSAHP正会員